退去時に敷金がなくなる!?敷引き・敷金償却は有効なのか

退去時に、預けている敷金の一部もしくは全部がなくなってしまう契約があることをご存知でしょうか?

この「退去時に預けている敷金の一部もしくは全部がなくなってしまう契約」を、実務上「敷引き」「敷金償却」と言います。

たとえば、「入居時に敷金を100,000円預け、退去時に50,000円を敷引き・償却する」等の内容で使われることが多いですね。

退去時に敷金が差し引かれる契約ということは、敷引き・敷金償却は借主にとって不利な契約といえます。裁判所は、消費者(借主)に一方的に不利な契約は「消費者契約法」によって借主を保護していますが、「敷引き」や「敷金償却」契約はどうなるのでしょうか?

知っておきたい基礎知識

本記事は、『退去時に敷金がなくなる!?敷引き・敷金償却は有効なのか』について詳しく解説致します。

敷引き・敷金償却は有効なのか?

賃貸借契約では、消費者(借主)が一方的に不利になる契約は「消費者契約法」よって、消費者(借主)が保護されるケースが多くあります。

たとえば、

  • ルームクリーニング費用を負担する
  • 畳の表替え費用を負担する
  • クロスの張替え費用を全額負担する

等々、上記費用を借主に負担させる契約が有効となるためには、細かな要件が必要となっています。

では、借主に不利な契約と考えられる「敷引き」「敷金償却」が有効となるためには、どんな要件が必要なのでしょうか?

この“敷引き・敷金償却の有効性”については、平成23年に最高裁判所が二つの事案に関して判断を下しており、「一定の要件を満たしていれば敷引き・敷金償却を有効」と判断しています。

敷引き・敷金償却が有効になるための要件とは

では、最高裁判所が、敷引き・敷金償却は有効と判断した事案をみてみましょう。

  1. 家賃 96,000円、敷金 400,000円、敷引が入居期間によって、家賃の 2倍から 3.5倍まで変動する契約で、退去時に 210,000円差し引かれた事案で、最高裁判所は「敷引が高額に過ぎるということはできず、消費者契約法 10条により無効とすることはできない」としました。
  2. 家賃 175,000円、敷金 1,000,000円、敷引 600,000円という事案で、「賃借人が明確に認識して賃貸借契約を締結しており、かつ敷引の額は家賃の 3.5倍程度にとどまっており高額すぎるとはいえず、消費者契約法 10条により無効とすることはできない」としました。

この二つの事案に関して、重要な点は、

  1. 敷引の額が家賃の 3.5倍程度にとどまっているか
  2. 賃借人が明確に認識して賃貸借契約を締結しているか
  3. 本件敷金償却以外に授受される礼金や更新料等を含めた金額が高額にすぎないか

という点になります。

たとえば、

  1. 敷引き・敷金償却の金額が賃料の3.5倍を超える設定されている
  2. 退去時に敷引き・敷金償却される金額が不透明
  3. 敷引き・敷金償却される以外に礼金や更新料を支払っている

等の場合、消費者契約法によって部分的に無効と判断される可能性があるということが重要です。

まとめ

「敷引き」「敷金償却」は、関西・九州地方に多い契約方法です。

関西・九州地方にお住まいの方は「退去時に敷金からいくら引かれてしまうのか?」「退去時に敷金からいくら償却されてしまうのか?」ということを、契約時にチェックするようにしましょう。

また、負担が大きいと感じたら、契約が有効か無効かを第三者に判断してもらうことをおススメします。

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