ご依頼いただく前の状況
今回ご依頼いただきました T・M様は岡山県にお住いの女性の方でした。
賃貸条件として、
- 賃料:50,000円
- 敷金:100,000円
に対して、不動産会社から、
- 壁クロス貼替:17,820円
- 天井クロス貼替:15,862円
- 畳表替え:25,920円
- 建具表紙貼替:7,560円
- 天袋表紙貼替:2,700円
- 壁クロスウォッシュ、キズ補修:3,240円
- エアコンクリーニング:8,640円
- ハウスクリーニング費用:43,200円
の請求を受けていらっしゃいました。
ご依頼いただいてからの経過
T・M様から契約書を送付していただきました。
今回の敷金精算のポイント
T・M様の負担内容を把握するために、契約書を確認します。
契約書には、
第2条(敷金)
乙の都合により本契約を解除する時、明渡しの完了した際、債務を控除し残額を返還されるものとする。尚、債務とは家賃の滞納、敷引き、畳の表替え、ふすまの張替え、室内クリーニングなどをいう。
との記載がありました。
借主に『室内クリーニング費用』や『畳の表替え費用』を負担させる場合、契約書の末尾にある特約事項に記載があることが多いのですが、この契約書では第2条に記載があります。
もちろん第2条に記載があるからといって、書いてある内容は、借主に通常の原状回復義務以上の負担を課す内容に違いはなく、本質的に特約事項と同じといってもいいでしょう。
性質が特約事項と同じである以上、特約が有効たるには以下の要件が必要になってきます。
- 特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観性、合理的理由が存在すること
- 賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
- 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること
上記要件を今回の契約内容に当てはめ検討した結果、特約が有効たる要件を満たしておらず、消費者契約法により、特約無効と判断しました。
次に、T・M様の部屋使用状況を確認させていただきました。
特約が無効であったとしても、部屋の使用状況が悪ければ、清掃費用等は借主負担になってしまいます。しかしT・M様は日常から清掃を心がけており、退去時にもきちんと清掃をしたとのこと。また、不注意で襖を破る等、故意・過失事項もありません。
よって、特約の無効及び部屋使用状況をかんがみ、預託済み敷金100,000円の全額返還を内容証明郵便で作成し、不動産会社に送付しました。
結果
内容証明郵便送付後、不動産会社から33,000円を返還する旨の連絡が T・M様にありました。内容証明郵便で請求した内容とは、かなりかけ離れた返答です。
契約内容、部屋の使用状況等を考えれば、少額訴訟を起こす方法もあります。しかし、T・M様もお忙しい状況にあり、返答された内容で承諾することになりました。
正直今回のケースは、お客様に満足いただける結果は得られませんでした。T・M様にはご納得いただけましたが、私としては苦い経験です。
お客様の声
T・M様からいただいた『お客様の声』をご紹介致します。
- ① 弊所のサービスは満足できましたか(下記からお選びください)
- とても満足 満足 普通 少し不満 不満
- ② 上記ご質問で『とても満足』『満足』を選ばれた方のみ。どこに満足いただけましたか?
- 最初から最後まで、親身に相談に乗って下さって、ありがたかったです。
- 1ヶ月以上もの間、のらりくらりな相手に対して、急かす事なく、待ってみてとアドバイス下さった事は、決して儲け主義ではないんだなと言う事がひしひしと伝わって来て、信頼できました。
- 本当に心強かったです。
- ③ 上記ご質問で『少し不満』『不満』を選ばれた方のみ。どこが不満でしたか?
- –
- ④ NEXT行政書士事務所に一言お願い致します
- 永井さんに電話をかけるて来る人は、不安な気持ちでいっぱいです。これからも変わらずに様々な状況の人達を救ってあげて下さい。
- 永井さんは正義感の強い温かな人です。
- 本当にお世話になりました。ありがとうございます。