ご依頼いただく前の状況
今回ご依頼いただきました K・H様は東京都にお住いの女性の方でした。
賃貸条件として、
- 賃料:50,000円
- 敷金:100,000円
に対して、不動産会社から、
- クリーニング費用:38,000円
- エアコン洗浄費用:15,000円
- 照明器具交換費用:18,000円
- クロス張替費用:72,000円
- 台所蛍光灯交換費等:700円
- 床シミ除去費用:12,000円
- 玄関クロス張替え費用:3,000円
- 消費税:12,696円
の請求を受けていらっしゃいました。
契約内容の確認
負担内容を把握するためには契約内容の確認が重要です。K・H様から契約書を送付していただきました。
契約書には、
特約事項
明渡しの際は、ハウスクリーニング費用を乙は支払うものとする。(台所、換気扇、浴室、エアコン)
との記載がありました。
特約事項が有効たるには以下の要件が必要になってきます。
- 特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観性、合理的理由が存在すること
- 賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
- 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること
上記要件を今回の契約内容に当てはめ検討した結果、①及び③に関しては要件を満たしているが、②の要件を満たしておらず、消費者契約法により、特約無効と判断しました。
部屋使用状況の確認
特約が無効であっても、部屋使用状況によっては不動産会社からの請求内容が適正な可能性もあります。次に、K・H様の部屋使用状況を確認させていただきました。
部屋使用状況をお伺いさせていただいた結果、下記のことがわかりました。
- 退去時にご自身で清掃はきちんとしていること
- 照明器具の破損はK・H様の過失であること
- タバコ等の喫煙はしていなかったこと
- 床のシミは入居時からついていたこと
上記内容を国土交通省のガイドラインの内容に当てはまると、今回K・H様が負担しなければならない項目は下記のとおりです。
- 照明器具交換費用:18,000円
- 消費税:1,440円
上記以外の請求内容は、経年劣化、通常損耗部分であり、K・H様に負担義務はありません。
よって、特約の無効及び部屋使用状況をかんがみ、預託済み敷金100,000円から上記負担金を差し引いた残額である80,560円の返還を内容証明郵便で作成し、不動産会社に送付しました。
結果
内容証明郵便送付後、不動産会社から内容証明郵便記載の内容は、納得がいかない旨の連絡がありました。
しかし、不動産会社側がこちらの主張を覆すことが出来なかったこと及びK・H様の粘り強い交渉のおかげもあり、最終的に80,560円を返還する旨の和解が成立しました。
内容証明郵便送付後、和解までかなり時間は掛かってしまいましたが、最終的にはこちらの主張を全面的に認めてもらい、K・H様にとてもよろこんでいただきました。
お客様の声
K・H様からいただいた『お客様の声』をご紹介致します。
- ① 弊所のサービスは満足できましたか(下記からお選びください)
- とても満足 満足 普通 少し不満 不満
- ② 上記ご質問で『とても満足』『満足』を選ばれた方のみ。どこに満足いただけましたか?
- 迅速な対応と、細々した問い合わせにも親切に助言してくださったこと。
- ストレスと不安でいっぱいでしたが、専門家に相談しているという安心感を持てました。
- ③ 上記ご質問で『少し不満』『不満』を選ばれた方のみ。どこが不満でしたか?
- –
- ④ NEXT行政書士事務所に一言お願い致します
- 他の事務所に、私のケースは対応できないと断られていました。
- 敷金の返還どころか、追加請求されていましたので、ある程度理不尽を受け入れても、さらなる支払いを避けたいと考え、貴事務所に相談しました。
- 結果的に敷金の返還が達成し、とても感謝しています。
- 誠意のない相手方の対応に負けずに辛抱できたのは、永井様のおかげです。ありがとうございました。