ご依頼いただく前の状況
今回ご依頼いただきました A・O様は神奈川県にお住いの男性の方でした。 賃貸条件として、
- 賃料:90,000円
- 敷金:90,000円
に対して、不動産会社から、
- 室内クリーニング費用:28,000円
- エアコンクリーニング費用:8,500円
- クロス張替費用(87㎡):82,650円
- 消費税:9,532円
の請求を受けていらっしゃいました。
契約内容の確認
適正な原状回復費用を把握するためには契約内容の確認が重要です。A・O様から契約書を送付していただきました。契約書には、
特約事項
本契約が終了し本物件を明け渡す時、賃借人は本契約14条2項の費用負担以外の特約として下記内容の費用を負担していただきます。
①室内の通常清掃費用(30㎡未満 28,000円)
②煙草・葉巻の喫煙及びお香等により、カーペット・クロス・設備機器等にヤニ汚れ、臭気等が付着した場合の特別洗浄費用。
③ペットの飼育等により、カーペット・クロス・建具・設備機器等にキズ。汚れ、臭気等が付着した場合の修復消毒・清掃費用。
④自然損耗とは認めがたい破損・汚損箇所の原状回復費用。
との記載がありました。
特約事項が有効であるためには以下の要件が必要になってきます。
- 特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観性、合理的理由が存在すること
- 賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
- 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること
契約内容に上記要件を当てはめ検討した結果、すべての要件を満たしており、特約は有効である可能性が高いことがわかりました。
居室使用状況の確認
次に、A・O様の居室使用状況を確認させていただきました。
居室使用状況を確認させていただいた結果、下記のことがわかりました。
- 3年間喫煙をしていた
- 入居年数は約8年
上記内容を国土交通省のガイドラインの内容に当てはめ、A・O様が負担しなければならない適正な原状回復費用を算出致しました。
適正な原状回復費用は下記のとおりです。
- クロス張替費用(87㎡):87円
- 室内クリーニング費用:28,000円
- エアコンクリーニング費用:8,500円
- 上記税:2,927円
適正な原状回復費用算出におけるポイント
今回の、適正な原状回復費用算出における重要なポイントは下記のとおりです。
- 借主の過失は認めるが、ガイドラインにそった経過年数の考慮
ガイドラインにそった経過年数の考慮
国土交通省のガイドラインでは、借主がクロスを汚損・破損してしまった場合でも、クロスの耐用年数によって経過年数を考慮することが定められています。
当初の不動産業者からの請求内容は、経過年数が考慮されず100%借主負担の請求がされていたことから、経過年数を考慮した適正な金額に見直しを致しました。
結果
特約の有効及び部屋使用状況をかんがみ、預託済み敷金90,000円から上記負担金を差し引いた残額である50,486円の返還を内容証明郵便で作成し、不動産会社に送付しました。
内容証明郵便送付後、A・O様宛に不動産会社から『こちらの請求内容で承諾させていただく』旨のご連絡があり、A・O様にとてもよろこんでいただきました。
お客様の声
A・O様からいただいた『お客様の声』をご紹介致します。
- ① 弊所のサービスは満足できましたか(下記からお選びください)
- とても満足 満足 普通 少し不満 不満
- ② 上記ご質問で『とても満足』『満足』を選ばれた方のみ。どこに満足いただけましたか?
- ③ 上記ご質問で『少し不満』『不満』を選ばれた方のみ。どこが不満でしたか?
- –
- ④ NEXT行政書士事務所に一言お願い致します
- 本当にありがとうございました。
通知書送付後も敷金返還について、管理会社との調整等、迅速に対応して頂いたため。クロス請求分の減額も実現し、とても満足しています。