みなさんは「入居時チェックリスト」を記入した経験はありますでしょうか?
入居時チェックリストとは、入居時の部屋状況を細かく記載する一覧表のことです。
入居時チェックリストを作成することによって、入居時と退去時の程度差をしっかりと主張することができ、自分がつけていないキズや汚れに対して原状回復義務がないことを証明することが可能です。
しかし、本来は円満な敷金精算のための有益なツールであるはずの入居時チェックリストが、退去時に悪用されるケースがあります。
本記事では、『入居時チェックリストは記入しなきゃいけないの?【入居時チェックは誰の義務?】』について詳しく解説致します。
目次
入居時チェックリストとは
入居時チェックリストとは、入居時の部屋の状況を細かく記載する一覧表のことです。チェックリストの内容は、入居時にキズ・汚れがあった箇所を貸主・不動産会社に申告する内容になっています。
最近では、大手不動産会社を中心に、入居時チェックリストを渡すことが多くなってきましたが、中には入居時チェックリストの存在を知らない方もいると思います。
そんな方は、下記PDFから入居時チェックリストのサンプルを見ることができます。一度目を通しておきましょう。
入居時チェックリストは借主の義務ではありません
上記のとおり、最近では入居時チェックリストを渡されることも多くなり「借主が入居時のチェックをしなければいけない」と認識されている方が増えてきているようです。
もちろん、借主の方が、入居時チェックリストに破損個所等をきちんと記入をし、入居時のチェックをすることは円満な敷金精算をするうえでとても良いことです。
しかし、「円満な敷金精算をするうえでよいこと」=「借主がしなければならないこと」ではありません。
入居時チェックリストが悪用されたケース

入居時チェックリストは円満な敷金精算のための有益なツールですが、退去時に悪用されるケースがあります。
悪用されたケースとしては、「入居時チェックシートを不動産会社から渡されていたが、引っ越し後の多忙でつい記入を忘れてしまった。退去時、入居時チェックシートを提出していないことを理由に、原状回復費用は全額借主負担と言われた」という内容が非常に多くあります。
入居時チェックリストに記入してないから全額借主負担!?
入居時チェックリストに関するトラブルは、
- 入居時チェックシートの提出を忘れてしまった
- 提出はしたがチェックミスがあった(キズ・汚れ等の記入漏れ)
があります。ではこういったケースが発生した場合、借主が全額原状回復費用を負担する義務があるのでしょうか?
入居時チェックする義務があるのは“貸主”
借主が入居時チェックリストを「不動産会社に提出していようが・していなかろうが」「記入漏れがあろうが・なかろうが」、入居時チェックをする義務があるのは法律上“貸主”です。
これは、部屋に損害が発生した場合の損害を立証する責任が貸主にあるからです。
貸主・不動産会社の一部は「入居時チェックリストを提出していない」「入居時チェックリストにキズ・汚れのチェックがされていない」等の理由をつけて、借主から原状回復費用を不当に請求するというった行為がみうけられますが、上記内容を覚えていれば不当な請求を拒否することが可能です。
まとめ
本記事でご紹介したとおり、入居時チェックをする義務は貸主にあります。仮に裁判になっても証拠を提出するのは貸主です。
しかし、「記入しなくても、チェックする義務があるのは貸主なんだろ?じゃあめんどくさいからチェックしないくていいや!!」ではなく、時間の許す限り出来るだけ詳しくチェックリストは記入はするようにしましょう。
円満な退去とは「裁判にも敷金・原状回復トラブルにも至らない退去」のことであり、裁判で勝てる=円満な退去とは違うからです。
入居時チェックシートに記入すること自体は円満退去をするうえで有益なツールなのは間違いありません。
円満な退去実現するために、有用なツールはしっかりと使っていきましょう!!