『経過年数』とは、物の価値は年数の経過によって減少していくという考え方のことです。
経過年数の具体的な考え方
経過年数の考え方が分かりやすいように、車を購入した例でご説明します。
Aさんが新車を200万円で購入しました。その後10年間この車を運転していましたが、ある日、あやまって車をぶつけて全損にしてしまいました。Aさんは保険に加入していたので保険金を請求しましたが、保険会社は新車購入時の200万円を支払ってくれるでしょうか?
答えは「支払ってもらえません」
10年間乗っていたことを考えた車の現在価値は、新車購入金額に対して低くなっているのが一般的です。
つまり、保険会社は車の現在価値(車の残存価値)分しかAさんに保険金を支払いません。
賃貸住宅の経過年数の考え方
この経過年数の考え方は、賃貸住宅の敷金精算に関しても当てはまります。
たとえば、Aさんが入居中にクロスにキズをつけてしまったと仮定しましょう。この場合、Aさんはクロスの復旧費用100%を負担しなければならないのでしょうか?
答えは「負担する必要ありません」
なぜなら、経過年数の考え方はクロスにも適用されるからです。つまり、Aさんが負担すべき範囲は、クロスの現在の価値(クロスの残存価値)分に限定されるということです。