d82f45f003d57f5c3fd214edc9b491b2_sタバコ喫煙によるヤニ汚れのクロス張替え費用は退去時精算でトラブルが多く発生するケースです。

このケースでトラブルになる原因として『借主の故意・過失、善管注意義務違反の場合は、経過年数(耐用年数)を考慮せず、費用全額を借主に請求する』という、貸主・不動産会社側の間違った認識があるからです。

※故意・過失、善管注意義務違反ってなに?:詳しくはこちら👉故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損とは?

※経過年数ってなに?:詳しくはこちら👉経過年数とは?

クロスの経過年数(耐用年数)が6年であることを考えると、仮に3年間の入居でクロスを張替えた場合『タバコ吸わなければ、あと3年間は使えたのかもしれないのに』という考えがあるのかもしれません。

本記事では『タバコのヤニ汚れに経過年数(耐用年数)は考慮されないのか?』について詳しく解説致します。

ヤニ汚れによっても経過年数(耐用年数)は考慮される

『あと3年は使えるのに』という貸主・不動産会社の心情もわからなくもありませんが、もちろんヤニ汚れによっても経過年数(耐用年数)は考慮されます。つまり、先のケースでいえば、借主の負担割合は、クロス残存価値の50%ということになります。

ヤニ汚れ以外のケースも考え方は同じ

今回はご相談の多いヤニ汚れにフォーカスしましたが、もちろんヤニ汚れ以外の故意・過失、善管注意義務違反にも経過年数(耐用年数)は考慮されます。

例えばクロスに関して、

  • 結露を放置したことによってカビが発生
  • 使用後の手入れが悪く、油汚れが付着
  • 物をぶつけて、はがれてしまった
  • お子さんが、落書きしてしまった

等々、上記内容は借主の故意・過失、善管注意義務違反に問われるケースですが、もちろんこういったケースでも経過年数(耐用年数)は考慮されます。

経過年数(耐用年数)が考慮された負担例

借主の故意・過失、善管注意義務違反の場合でも経過年数(耐用年数)は考慮されます。

クロスの経過年数(耐用年数)は6年になるので、張替えから6年経過すればクロスの残存価値は1円になります。つまり、20㎡の張替えが必要なケースでクロスの張替え費用が㎡単価1,000円の場合、クロス貼替費用:20,000円(内訳:貸主負担:19,999円・借主負担:1円)となります。

注意しなければいけない点

クロスの経過年数(耐用年数)は6年であり、6年経過後のクロスの残存価値は1円にまで下がります。しかし『確実に借主の負担金額が1円にまでさがるか?』というと確実ではありません。

これは、国土交通省『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』が経過年数を超えた物件であっても”工事費や人件費”は借主負担となる可能性を示唆しているからです。

※国土交通省『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』ってなに?:詳しくはこちら👉国土交通省のガイドラインとは?

ガイドラインによる修正

国土交通省策定『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』では『経過年数を超えた物件であっても、借主はなお善管注意義務を負い、貸室に損耗を与えた場合は、例えばクロスを張替える費用(工事費や人件費)などにつき、借主負担となる場合がある』としています。

これは6年経過している場合であっても、借主の故意・過失、善管注意義務違反があったケースでは、借主の負担が1円にならない可能性を示唆してるということです。

これは原則、例外という話ではなく、最終的に裁判になった際の判断や、貸主・借主双方が話し合いでの和解等の際に基準となる可能性の問題です。

もちろん、最初にご紹介したような『クロス張替費用100%借主負担』というような不当な請求内容は認められませんが、借主負担が残存価値の10%前後になるという可能性は十分ありえることに注意しましょう。

まとめ

タバコ喫煙によるヤニ汚れは、確かに故意・過失、善管注意義務違反と判断されます。しかし、経過年数(耐用年数)を考慮せず、張替費用全額が借主負担という訳ではありません。

クロス張替えの費用負担は、敷金精算において特にトラブルが多い箇所になります。

本記事の内容は必ず覚えておくことをおススメします。

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