退去時、気を付けるべきことはある?イメージ

人生の中で賃貸物件を退去するということは、そこまで多いことではありません。したがって、敷金は原則借主に返還といっても、実際に退去し敷金精算書が手元に送られてくるまでは色々不安なこともあるのではないでしょうか?

そんな不安を少しでも解消するために、退去前に確認しておくべきことや行うべきポイントがいくつかあります。本記事では『退去前にすべきポイント【スムーズな敷金返還のために必要なこと】』についてご紹介します。

本記事を読んでいただければ、スムーズな敷金返還を実現させるために退去前にすべきことが具体的にわかるようになるはずです。

ポイント①:契約内容を確認しよう!特に”特約事項”に注意が必要

退去が決まったら、まずは契約内容を確認しましょう。

敷金返還・原状回復トラブルが起きる要因の5割強が『契約内容』によるものだからです。

その原因として、賃貸借契約というのは比較的長期間に及ぶ契約であり、契約当初の契約内容を覚えていないことや、そもそも契約内容を把握できてないケースが見受けられます。契約内容を把握できていなければ、円満な敷金返還は望めないといっても過言ではないでしょう。

そこで、退去が決まったら必ず契約書には目をとおすようにしてください。

契約書はもちろん全項目に目をとおしていただきたいですが、特に注意をしなければならないのが”特約事項”の部分です。特約部分には、退去時の敷金精算や原状回復費用に関して記載があることが多くあるからです。

この部分の契約内容を把握することによって、退去後に請求されるであろう”予測額”を知ることができます。

貸主や不動産会社は、この特約を根拠に敷金返還を拒む例が非常に多くあります。まずは相手が持ち出してくるであろう、”特約という武器”を把握しましょう。

※特約ってなに?:詳しくはこちら👉特約(原状回復特約・ハウスクリーニング特約等)とは?

特約がすべて有効とは限らない

契約内容を把握する中で特に”特約”の部分に注意して注意していただきたいと記載しましたが、契約書に特約が記載してあれば借主はそれを守る義務が生じるのかという問題がでてきます。

結論からいうと、契約書に特約が記載してあっても、それがすべて有効(借主が守る義務がある)というわけではありません。

これに関しては『知っていると敷金返還に有利!!特約(原状回復・クリーニング特約)について!!』で詳しく解説しているので参考にしてください。

ポイント②:入居時チェックリストを使ってキズや汚れを確認しよう

ポイント②は”入居時チェックリストを使ってキズや汚れを確認する”ということです。入居時チェックリストとは、入居時の部屋の状況を細かく記載する一覧表のことです。

※入居時チェックリストってなに?:詳しくはこちら👉入居時に気を付けたい!!【敷金トラブル防止のためにすべき二つのポイント】

入居時チェックリストを使って入居時に記載した内容と退去時の状況を比較・確認しましょう。

入居時チェックリストを使って確認する項目

チェックリストを使って確認する項目は、

  1. 入居時についていなかったキズや汚れはないか?
  2. キズや汚れがついている場合は、経年劣化・通常損耗に分類されるのか?故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用によるものに分類されるのか?
  3. 故意・過失・善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用によるキズや汚れの場合、適正な負担範囲、負担割合(経過年数・耐用年数)はどの程度なのか?

上記3点を確認しておくことをおススメします。

※経年劣化・通常損耗ってなに?:詳しくはこちら👉経年劣化・通常損耗とは?

※故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用ってなに?:詳しくはこちら👉故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損とは?

※経過年数・耐用年数ってなに?:詳しくはこちら👉経過年数とは?

チェックリストを付けていなかった場合は

入居時にチェックリストを付けていないという方も中にはいらっしゃると思います、そんな方は、入居時の状況を思い出せるところまで思い出していただき、思い出せた箇所を箇条書きにでもして書き留めておきましょう。

退去立会時にいきなり質問されるよりも冷静に答えられると思います。

ポイント③:退去前の清掃は必ず行おう

ポイント③は”退去前の清掃は必ず行おう”ということです。

本来お部屋のクリーニング費用というは貸主負担が原則となっています。しかし、国土交通省『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』では、退去前になにも清掃をしていない場合、その費用負担が借主負担となる可能性を示唆しており、事実、退去前になにも清掃をしていなかった場合におけるクリーニング費用を借主負担とする裁判例は普通に存在します。

※国土交通省『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』ってなに?:詳しくはこちら👉国土交通省のガイドラインとは?

よく、借主の方から『クリーニング費用は貸主負担だから敷金返還は可能ですか?』とご相談をいただきますが、前提として”退去前に清掃をきちんとしている”のが条件になります。

どの程度の清掃をすればよいのか

ここで一つ疑問にあがるのが『退去前に清掃をきちんとしている』というのは具体的にどの程度の清掃をすればよいのか?ということです。

国土交通省のガイドラインでは『”通常の清掃”を実施していない場合で、部位もしくは住戸全体の清掃費等分を全額賃借人負担とする』と記載がありますが少し抽象的です。

そこで、裁判所の過去の判例等を総合しもう少し具体的に考えてみると、通常の清掃=大掃除程度(具体的には、ゴミの撤去、掃き掃除、拭き掃除、水回り、換気扇、レンジ回りの油汚れの除去等)と考えられます。

大掃除程度と考えると『年末の1日を使った大掛かりな清掃』と言えますが、円満な敷金返還のためには必須の行為です。引っ越し前で大変ですがお掃除をがんばりましょう!!

まとめ

退去前というのは次の入居先とも被る期間も多く、大変忙しいのが一般的です。しかし、本記事でご紹介したポイントをやるか・やらないかによって、敷金返還がスムーズにいくかどうかが変わってきてしまいます。

敷金・原状回復トラブルに発展してしまえば、せっかくの新生活も台無しになってしまいますよね?

本記事でご紹介したポイント3つは最低限おこなっていただき、充実した新生活をスタートできるようがんばってみてください!!

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