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賃貸借契約は、比較的長期間におよぶことは珍しいことではありません。また、長期間におよぶということは、入居期間中に貸主が変わるということも少なからず出てくる可能性があります。

借主としては、入居期間中に貸主が変わると「家賃の支払いはどうなるのか?」「契約条件は変更になるのか?」「預けている敷金はだれが返してくれるのか?」等々、色々な悩みがでてくるのではないでしょうか?

本記事では、上記色々な悩みから『貸主が変わったらだれに敷金返還請求?【請求先が絶対わかる!!】』について詳しく解説していきます。

敷金返還請求は新しい貸主宛でOK!!

入居期間中に建物の「売買」もしくは「相続」で貸主が変わった場合は、新しい貸主宛に敷金返還を請求すれば問題ありません。

民法では、売買で建物を購入した場合もしくは相続で貸主が変更になった場合は、前の貸主に預けていた敷金は新しい貸主に移転されるとしており、敷金返還義務は当然に新しい貸主に承継されるとしているからです。

競売によって貸主が変更した場合は注意が必要

上記の通り、「売買」若しくは「相続」によって貸主が変わった場合は何も心配はありませんが、「競売」によって貸主が変更した場合、注意が必要になってきます。

競売とは、貸主が住宅ローンや税金の未払いを原因として、債権者が裁判所に申し立てることによって、担保として提供を受けていた不動産や債務者の財産を差し押さえ、裁判所の権限によって強制的に売却をし、その売却代金から債権の回収に充てる手続きをいいます。

競売が発生する前提条件として、賃貸借契約締結前に、当該不動産(マンションやアパート)に抵当権が設定されていることが前提となりますが、抵当権設定登記がなされた建物について、平成 16年 4月 1日以降に賃貸借契約を締結して引渡を受けていた場合で、抵当権の実行によって競落人が新たに当該建物の所有者になった場合には、競落人である新たな所有者は賃貸借契約を承継する義務はないので、新しい貸主は敷金返還義務を負いません。

つまり、この場合には借主は前の貸主に対して敷金の返還を求めるなければならない点を覚えておきましょう。

ちなみに、賃貸借契約を締結して引渡しを受けた後に設定登記がなされた抵当権の実行によって競落人が新たに当該建物の所有者になった場合には、競落人である新たな所有者は賃貸借契約を承継するので、新しい貸主である新所有者に対して敷金の返還を求めることが出来る点も注意が必要です。

まとめ

実務上、入居期間中に貸主が変更になる場合は、「売買」もしくは「相続」を原因としているケースが多くの割合を占めていることから、貸主が変わっても必要以上に不安になる必要はありません。

しかし万が一、「競売」によって貸主が変更になるケースが発生した場合は、弁護士や司法書士等の専門家に早めに相談するのがおススメです。