f07a942922a2b42c4a82a8f9f35e427c_s敷金精算金額に不満がある!納得できない!!こんな場合は、まず内容証明郵便を使って敷金返還請求をしていくのがセオリーです。

※内容証明郵便ってなに?:詳しくはこちら👉内容証明郵便とは?

しかし、内容証明郵便を送付しても受け取らない貸主がちらほらいたりして・・・せっかくがんばって内容証明郵便の文面を作成して郵便局まで出しに行ったのに、受け取ってもらえなかったら意味がないのか?

そんな時のために、本記事では『貸主が内容証明郵便を受け取らない場合の法的効果と対処法【敷金返還請求】』について解説致します。

受け取らないケースは2種類ある

貸主が内容証明郵便を受け取らないケースとして下記2つが考えられます。

  • 配達員が配送したが、受け取りを拒否した場合
  • 留守で不在通知を投函したが、再配達の手続きをとらなかった場合

この2ケースは、結果として『受け取らない』という面では同じですが、法的効果の面では違ってきます。

ケース①:受け取り拒否の場合

少し専門的なお話になりますが、民法97条では、意思表示の効力の発生を下記のように規定しています。

民法第97条

隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。

つまり、意思表示は相手方に到達してはじめて効果が生じるということです。ということは、一見すると貸主が内容証明郵便を受け取り拒否したのであれば意思表示は到達しておらず、法的効果は生じないと考えられます。

しかし、受け取り拒否しなければ間違いなく書類は届いたのに、受け取り拒否したせいで意思表示の効果が発生しないとすると通知人に少し酷ですよね。

そこで裁判所では『受領拒否した場合の意思表示は相手に到達したとして、意思表示の効力の発生を認めている』のです。

ケース②:再配達の手続きをとらなかった場合

では、再配達の手続きをとらなかった場合はどうなるのでしょう。

このケースは裁判所でも判断が分かれているのですが『基本的には相手に到達はされない。つまり、意思表示の効力は発生しない』としています。

まぁ確かに長期旅行や出張にいっている間に、再配達の手続きがとれないからといって意思表示が到達されたとしたら、それはそれで困っちゃいますからね・・・

実務上の対処方法

ケース①、ケース②によって、法的効果の発生に違いがあるということをご説明してきましたが、法的効果の発生に違いがあるといっても、敷金返還請求で一番重要なのはこちらの意思表示(文面)を貸主に実際みてもらうことです。

正直、貸主が実際書面を見ていないのに到達されているとみなされようが、されていないとみなされようが、その違いはさほど重要ではありません。(裁判では重要ですが)

では、貸主が内容証明郵便を受け取らない場合どうしたらよいのか?対処方法を一つずつみていきましょう。

対処法①:不動産会社宛に送付する

法的に考えると敷金を預かっているのは貸主です。したがって、まずは貸主に内容証明郵便を送るのがセオリーです。しかし、貸主は善意・悪意等色々な思惑によって内容証明郵便を受け取らないケースがまれに発生します。

そこで弊所では、可能な限り不動産会社宛に内容証明郵便を送付しています。不動産会社であれば書類の送付や受け取りは日常的な話なので、なんの疑いもなく内容証明郵便を受け取ってくれますし、長期休暇等のスケジュールもある程度は予想できるからです。

また、法的には敷金を預かっているのは貸主でも、実務的に敷金精算を主導しているのは不動産会社というケースも多くあります。

貸主に内容証明郵便を送ったのに受け取ってもらえないという方は、不動産会社に送付する方法も一つの手として覚えておきましょう。

対処法②:特定記録郵便で送付する

内容証明郵便の送付で一番厄介なケースは『貸主に送付→受け取り拒否で返送されてくる→不動産会社に送付→「敷金精算はタッチしてないから貸主に送ってくれ」』といわれてしまうケースです。

このような場合は、最終手段として貸主に特定記録郵便で送付するという方法があります。

特定記録郵便とは、

  • 引き受けを記録するので、郵便物等を差し出した記録を残したいときにおすすめです。
  • インターネット上で配達状況を確認できます。(配達完了メール通知サービスがご利用いただけます。)
  • 受取人さまの郵便受箱に配達します(配達の記録(受領印の押印又は署名)は行いません。)。※損害賠償の対象となりません。

上記のような送付方法です。

内容証明郵便と特定記録郵便には、下記のような違いがあります。

  • 内容証明郵便は受領印の押印又は署名をもらう(手渡しで渡す)→特定記録郵便はない(ポストに投函)
  • 内容証明郵便は送付した文面の控えを郵便局が保管する(証拠力強い)→特定記録郵便は控えを保管しない
  • 内容証明郵便は作成に文字数、行数等の制限がある→特定記録郵便は制限がない

内容証明郵便に比べると特定記録郵便は証拠能力が弱い等のデメリットがありますが、相手先のポストに投函した日時等の記録は残せます。

もちろん、ポストに投函した日時が証明できても貸主が確実に書面を読んでいるとは言えません。しかし、ポストに投函された日時が記録に残っているという事実は、貸主にとって心理的プレッシャーになるものです。

内容証明郵便ではどうやっても受け取ってもらえない場合の最終手段として、特定記録郵便という送付方法は覚えておくとよいでしょう。

まとめ

敷金返還請求で一番重要なのは、貸主にこちらの意思を認識してもらうことです。

『内容証明郵便を送付したけど受け取ってもらえなかった』『不動産会社に「うちは敷金精算は関係ない」といわれた』等、心が折れてしまいそうになるケースもあるかもしれませんが、自分で出来る手段は尽くしましょう!

正当な主張を粘り強くしていけば、きっと良い結果になるはずです!!

●こちらの記事もおススメです敷金返還・原状回復トラブル時に内容証明郵便は必要?

●こちらの記事もおススメです【敷金返還請求】自分で内容証明郵便を作成したい方へ!【テンプレ付】