過去に退去している部屋の敷金返還はできるの?イメージ

「今回のお部屋の大家さんは敷金ほとんど返してくれて良い大家さんだったなぁ。でも待てよ!?前住んでた大家さんは敷金をぜんぜん返してくれなかったなぁ・・・。なんでこんなに金額が違うんだろう?もしかして不当な請求だったのかも!!もし本当に不当な請求だったら今から返還してくれって言えるのかなぁ」

昨今メディア等でも敷金問題が取り上げられることが多くなってきたことや、国土交通省のガイドライン等で敷金返還に関して勉強している方が増えたことによって、昔に比べれば貸主・不動産会社から不当な原状回復請求を受ける方は少なくなってきました。

POINT

※国土交通省のガイドラインってなに?:詳しくはこちら👉国土交通省のガイドラインとは?

しかし、過去に高額な原状回復費用を支払った方がいるのは現実問題として多く、敷金返還に関しての知識等を知らずに不当に高額な原状回復費用を支払ってしまった方は、正当な敷金を取り戻したいと思うのは当然の考えでしょう。

本記事では『敷金返還請求ができる期間はいつまで?』について詳しく解説致します。

過去の敷金も、もしかしたら取り戻せるかもしれませんよ!?

敷金返還のタイムリミット

結論として、敷金返還のタイムリミットは物件退去から5年以内になります。

法律的に敷金返還のことを正しく書くと「敷金返還請求権」となります。つまり“敷金の返還を請求する権利”ということです。この敷金の返還を請求する権利を法律上“債権”(人に対してあれをしてください、これをしてくださいといえる権利)といいます。

債権は民法で「10年で権利は消滅する」と規定しており、これを「消滅時効」といいます。(一部年数に例外有)

民法の規定をそのまま適用すれば敷金返還請求権というのは10年間行使できるのですが、貸主というのは1棟のアパートしかもっていない場合であっても個人事業主とみなされます。

個人事業主とみなされると何が違うかというと、民法の特別法である商法にある「当事者の一方のために商行為となる行為については、この法律をその双方に適用する」という規定が適用になります。

詳しい説明は省きますが、商法が適用されることによって上記時効の年数も10年から5年へ短縮され、結論として、敷金返還のタイムリミットは物件退去から5年以内ということになるのです。

退去から6年以上経過している場合でも、敷金返還請求が可能な場合もある

厳密にいえば、退去から6年以上経過している場合でも敷金返還請求が可能な場合があります。

時効というのは、債務者(敷金返還請求でいうと貸主)が“時効の援用”をしてはじめてその効力を生じるからです。

時効の援用とは、債務者(貸主)が債権者(借主)にたいして時効の成立を主張し、消滅時効の利益を受ける旨の意思表示をすることです。 この援用をしないと債権は消滅せず、時効期間が経過しても、いつまでも債権者から請求を受けることになります。

したがって、貸主が借主にたいして『退去から5年以上経過しているから敷金は返還しません』という意思表示をしていない場合、退去から6年以上経過していても、法律上は敷金返還請求をすることは可能です。(除斥期間に至った場合を除く)

まとめ

法律上は「退去から5年以内」もしくは「6年以上経過していても時効の援用がなされていない」限り、敷金返還請求をおこなうことは可能です。

しかし、法律的に敷金返還請求が可能といっても、実務的には年数がたてばたつほど返還を求めるのは難しくなっていきます。

少しでも原状回復の内容に疑問があった場合は、出来るだけ早い段階で疑問点を確認するのようにしましょう。