b58705536e0888b6ea571af4885f453a_s居住用賃貸と事業用賃貸(事務所・店舗用)の敷金精算方法は大きく異なります。

居住用賃貸における敷金精算の場合は『消費者契約法』『国土交通省のガイドライン』等で、借主に手厚い保護がされているのに対して、事業用賃貸の借主の場合は、上記保護がなされないのが原因です。

※消費者契約法ってなに?:詳しくはこちら👉消費者契約法とは?

※国土交通省のガイドラインってなに?:詳しくはこちら👉国土交通省のガイドラインとは?

本記事では『居住用賃貸と事業用賃貸(事務所・店舗用)の敷金精算の違いとは』について詳しく解説いたします。

居住用賃貸と事業用用賃貸の敷金精算が、どの程度違ってくるのか順を追ってみていきましょう。

居住用賃貸における原状回復義務の原則

まず、事業用賃貸における原状回復を見ていく前に、居住用賃貸における原状回復義務の原則を見ていきましょう。

国土交通省が策定した『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』では、建物等の損耗等を建物価値の減少と考え、標準契約書の 2つの区分に +1つを加えた考え方をしています。

  • ①‐A 建物・設備等の自然的な劣化・損耗等(経年劣化)
  • ①‐B 賃借人の通常の使用により生ずる損耗(通常損耗)
  • ② 賃借人の故意・過失・善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等

このうちガイドラインでは、②を念頭に置いて、原状回復を次のように定義しています。

原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること。

上記内容をざっくりですが分かりやすく説明すると『借主の不注意でつけてしまった汚れや傷は借主負担。それ以外の修繕に関しては貸主の負担ということです。

事業用賃貸における原状回復義務の原則

では次に、事業用賃貸における原状回復義務の原則をみていきましょう。

事業用賃貸の場合は、契約によって多少に違いはあるものの、通常損耗も含めた原状回復費用すべてが借主負担となります。

これは、例えば契約書に『退去時にクロス・フローリングは全部張替えるものとする』と記載があれば、いくらきれいに使用していても、借主に支払い義務が発生するということです。

マンションオフィスの例外

しかし、事業用賃貸だからといって、すべて上記原則で処理される訳ではありません。

例えば、マンションの一室を事務所と使っているケースでは、裁判所は居住用賃貸の場合と同様に、国土交通省のガイドラインにそって算定すべきと判示しました。つまり、経年劣化・通常損耗は原則貸主負担であり、借主負担は故意・過失、善管注意義務違反部分に限られます。

※経年劣化・通常損耗ってなに?:詳しくはこちら👉経年劣化・通常損耗とは?

※故意・過失、善管注意義務違反ってなに?:詳しくはこちら👉故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損とは?

まとめ

居住用賃貸に比べて事業用賃貸の敷金返還・原状回復トラブルは解決しにくいのは事実です。事業用賃貸の借主の方が、退去時に敷金返還・原状回復トラブル発生させないために一番重要になってくるのは、契約時の契約内容チェックです。

事業用賃貸の場合では預けている敷金・保証金も高額であることが多く、契約内容によっては非常に高額な原状回復費用を請求されるケースもでてきます。

『想像していたよりも高額な原状回復費用の請求がきた!!』とならないためにも、契約時の契約内容はしっかりチェックしましょう。